山と海に囲まれ、昔から国際港として栄えてきた兵庫県・神戸市。そんな街の個性が色濃く現れたユニークな神社をご紹介します。ご利益は縁結びから商売繁盛、必勝祈願など様々！ 山の上にある神社、市街地にある神社…と場所によって雰囲気がガラリと異なるので、神戸の自然や歴史も感じながら神社巡りを楽しんでくださいね。

神戸随一の繁華街・三宮に位置する「生田神社」は、1800年以上の歴史を持つ古社。「湊川神社」「長田神社」と合わせて「神戸三大神社」と呼ばれ、地元では初詣に三社全てをお参りするという方も多く見られます。

境内の北側には、樹齢数百年を越える木々が生い茂る森林「生田の森」が広がります。みずみずしく、静謐（せいひつ）な空気が流れていて、街中の喧騒とはまるで無縁。木の幹に手を当ててパワーを感じてみるのも良いでしょう。

主祭神の「稚日女尊」は機織りの神様であり、“糸と糸を織りなすように良きご縁を結ぶ”と言われていることから、恋愛成就や良縁祈願のご利益をいただける神社としても有名です。縁結びのお守りは様々な種類があり、特に人気なのが「水みくじ」。授与されたおみくじを生田の森にある「金龍泉」の水に浸すと、文字が浮かび上がってきます。

このお告げはよく当たると好評なので、秘めた想いがある方はぜひ！ 他にもハート型の可愛らしい絵馬も置いてあるので、あわせて奉納してみてくださいね。

1872年に建立された「湊川神社」は、初詣には毎年100万人以上の参拝者が訪れる神戸を代表する神社です。ご利益は開運招福・家内安全・交通安全・学業成就・厄除け…と実に多様。正義感と忠誠心に溢れた名将として知られる楠木正成が祀られ、地元では「楠公さん」の愛称で親しまれています。

楠に囲まれた7,600坪以上もの広大な境内は、神戸の中心地にありながら緑いっぱいのオアシスのような場所。

大きな石灯籠が存在感を放つ「表神門」をくぐり、参道をまっすぐ進むと見えてくるのが本殿。中に入り、天井を見上げると豪華絢爛な164枚の絵に目を奪われることでしょう。全国の著名な画家たちが奉納したもので、中でも兵庫県生まれの福田眉仙氏による「大青龍」は圧巻です。日本の美を感じられる一枚一枚をゆっくり鑑賞してみてくださいね。

また、境内に鎮座する「楠本稲荷大社」には商売繁盛や五穀豊穣のご利益があると言われています。朱色の鳥居が連なる様は美しく、撮影スポットとしてもおすすめですよ！

商工業や産業の守り神である「事代主大神」をお祀りする「長田神社」は、創建1800年を超える歴史ある神社。商売繁盛をはじめ、福徳円満や開運招福、厄除けなどあらゆるご利益をいただくことができます。

事代主大神は“先の先までお見通しになる神様”と言われていることから、役目を終えた眼鏡の供養もしてくれます。

境内にある「楠宮稲荷社」では、海の魚・赤エイが描かれた可愛らしい絵馬をいただくことができます。その昔、台風で近くの川が増水した際に境内に赤エイが紛れ込んだという言い伝えがあり、社殿の奥にそびえる樹齢約800年のご神木の楠には赤エイが宿っているとして崇拝されているのだとか。こちらの絵馬を奉納すると、腫物、とりわけ痔が良くなると言われています。

古くから続く2月の節分祭「古式追儺式神事」も有名です。一般的な節分祭では豆をまいて鬼を退治しますが、当神社では鬼は神の使いとして歓迎される存在。このお祭りでは豆まきは行われず、7人の鬼役が境内に設けた舞台の上で舞を踊りながら災いを祓い清めてくれるのです。もしタイミングが合えば、“良い鬼”に出会える節分祭に参加してみてはいかがでしょうか？

異国情緒溢れる北野異人館街にある「北野天満神社」。1180年に京都の「北野天満宮」を勧請して祀られたのがはじまりで、地名の由来にもなっている由緒ある神社です。学問の神様として知られる菅原道真を主祭神としていることから、学業成就の祈願で訪れる参拝者が後を絶ちません。

境内から見渡せる美しい景色も、人気を集める理由の一つ。北野坂を上りきったところにあるため、北野の街並みから神戸市内までを一望できます。天気が良ければ神戸港が見えることも！

実は、恋愛のパワースポットでもある北野天満神社。手水舎の鯉の像に水をかけて願うと叶う＝恋が叶うと古くから伝わる水かけ祈願「叶い鯉」を目当てに、全国から多くの参拝者が訪れます。ピンク色の小さな鯉の張子「恋鯉守り」に願いごとや目を書き入れて奉納すると、ダブルでご利益をいただけるかも!?

他にも、ミニサイズの扇子の中にお告げが書いてある「扇子みくじ」や、現代美術家のイチハラヒロコさんとコラボした「イチハラヒロコ恋みくじ」など、ユニークなおみくじがたくさんあるので、ぜひ試してみてください。

海の神様である「湍津姫命」をお祀りする「三宮神社」は、航海の安全と商工業を守る神社として、古くから港町・神戸の人々に親しまれてきました。

三宮神社を語る上で外せないのが、明治時代に起こった「神戸事件」。1868年、開港直後の神戸で外国人兵と岡山県の藩士が衝突し、艦隊と銃火を交えた戦いへと発展しました。事件発生の地が三宮神社であり、境内にはその史蹟が残されています。当時使われていた大砲と同年代のものも展示されていて、国際港の街ならではの歴史に触れることができます。

手水舎の背面には、神社では珍しいステンドグラスが使われていて、瀟洒な洋風の作りにもまた神戸らしさを感じます。

三宮神社以外にも、神戸市内には一から八までの数字を冠した神社があります。それら八社を巡拝し、厄払いと開運祈願をする「神戸八社巡り」もおすすめです。本来は節分の日に行うのが正式な形ですが、訪れた際に時間があればぜひ挑戦してみてください。各神社で専用の御朱印をいただくことができるので、御朱印帳のご準備をお忘れなく。

「弓弦羽神社」は、「熊野大神」をお祀りしている歴史ある神社。熊野大神の使者で勝利に導く「ヤタノカラス」がシンボルになっていることから、必勝祈願で多くの人が訪れます。

弓弦羽神社がある御影は、日本初のサッカーチームができた地。日本サッカー協会も同じヤタノカラスのシンボルマークを持つという不思議な縁も重なり、境内には御影生まれの石「御影石」で作られたサッカーボールの像が祀られています。他にもサッカーボール型の絵馬やお守りもあるので、サッカーファンは要チェックです！

江戸時代から明治時代にかけて、力比べに使われていたという「力石」にも注目を。石の重さや持ち上げた人物の名前が刻まれていて、「本当にこの石を持ち上げたの!?」と驚くことでしょう。

厄払いができる「玉祓」も見どころの一つ。斎玉と呼ばれる石に息を吹きかけて自身の災いを移し、祓石に思い切り投げつけると厄を振り払うことができると言われています。すっきりすると評判なので、ぜひお試しください！

神戸三宮から阪神電車で約15分、商売繁盛や金運のご利益をいただけることで有名な「西宮神社」があります。

門をくぐり、約230メートルもの長い参道を歩いた先には、厳かな雰囲気を放つ鮮やかな朱塗りの拝殿が佇んでいます。その奥には、「三連春日造り」という全国でも珍しい構造の本殿があります。まずはこちらにお参りをしてから、四季折々の草花に溢れる境内をゆっくりと散策してみましょう。

甘酒をいただける「おかめ茶屋」で、ほっとひと息つくのもおすすめです。また、大吉よりも縁起が良い“大福”が入ったおみくじもあるので、運試しにいかがでしょうか？

西宮神社には様々な祭事がありますが、特に1月に行われる「十日えびす」は、商売繁盛を祈願する阪神エリア最大規模のお祭りです。また、7月に行われる夏祭り「夏えびす」では、4日間にわたって夜になると境内が幻想的な明かりに包まれ、日中とはまた違う雰囲気を楽しめます。

また、西宮神社の周辺には、日本有数の酒処・灘五郷や阪神甲子園球場があります。あわせて足を運んでみては。

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神戸市の隣、明石市の海沿いの町にたたずむ魚住住吉神社は、西暦464年に創建した歴史ある神社で、海路の神として知られています。

神戸の中心部から少し離れていますが、ここではこんな見事な絶景が見られます。

「名勝 錦が浦」と呼ばれ、日中は鳥居の向こうに穏やかな海が広がり、夕暮れ時は西に沈む夕日と松、燈籠のコントラストがまるで絵画のようです。

また、4月下旬には御神木の藤の花が咲き、花房が海からの穏やかな風で優雅に揺れます。6月頃には紫陽花の花が境内を彩ります。

神社はお参りするのはもちろんのこと、境内でのんびり過ごしても不思議とパワーが湧いてくる場所。訪れた際は神様への感謝の気持ちと、マナーを守ることを忘れずに。神社巡りを通して、心癒やされるひとときをお過ごしください。

神戸をはじめ、大阪・京都の訪日旅行者向け観光情報を発信する当サイト「Enjoy! OSAK KYOTO KOBE」には、神戸の見どころやグルメ情報をまとめた記事もあります。ぜひ参考にして、充実した旅にしてくださいね。

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