京都市街地の北東部、京都盆地を見下ろす場所に西陣(にしじん)と呼ばれるエリアがあります。織物業が盛んな地域で、染め糸を使った絹織物・西陣織の生産地としても有名です。
そんな西陣エリアに鎮座するのが北野天満宮です。北野天満宮には古くから伝わる七つの不思議があり、信仰の対象として大切にされてきました。
今回は、北野天満宮の七不思議をご紹介します。
北野天満宮とは?
北野天満宮は、全国にある1万2000社の天満宮、天神社の総本社です。祭神は、学者、文人、政治家として活躍した菅原道真。「学問の神様」として有名であり、受験シーズンともなると、多くの受験生が合格祈願に訪れます。
お守りでご利益にあやかる
北野天満宮にはいろいろなお守りがあります。
北野天満宮にはいろいろなお守りがあります。
北野天満宮は天のエネルギーがはたらく聖地であるとも言われています。この美しい五色の星まもりを持っていると幸せが天から舞い降りて来そうですね。
<青>スポーツや勉学の向上
<赤>縁結びや子宝・安全祈願、家内安全
<紫>病気平癒や健康安全
<黄>金運や仕事運アップ
<白>開運招福や就職祈願
受験生に大人気の勧学守。このお守りを握りしめて受験に臨む学生はたくさんいます。白いデザインも学生らしくていいですね。修学旅行の学生にも人気だそうです。
四季折々で楽しめる広大な庭園
豊臣秀吉が築いたとされる、北野天満宮の史跡御土居はもみじの名所になっています。秋には約350本のもみじが赤く染まります。
夏の青もみじも爽やかで人気があります。
梅の季節も有名です。菅原道真公ゆかりの梅の木が約50種1500本あり、毎年2月初旬から3月下旬まで梅苑が公開されます。
それではここから七不思議をご紹介していきましょう!
【不思議1】初雪が降ると道真公が現れる?影向松(ようごうのまつ)
影向の松というのは、能舞台の奥に描かれている松のこと。北野天満宮の影向の松は表参道の一の鳥居をくぐってすぐ右手にあります。
北野天満宮では、立冬から春になるまでに初雪が降ると、雪が積もったその朝に天神さまがその松に降りられて歌を詠まれるという伝説があります。
毎年「初雪祭」という神事があり、硯と筆と墨をお供えしているのだそうです。
【不思議2】参道の先に本殿がない!筋違いの本殿
普通、神社は参道をまっすぐに歩くと御本殿があるのですが、北野天満宮の場合は一度左に逸れてから、御本殿に向かうという位置関係になっています。
これは、参道の正面に立つ「地主社」が、北野天満宮が創建される以前から祀られていたから。もともと鎮座されていた神様に配慮して、少しずらしたところに菅原道真公を祀る御本殿を置いたというのが理由だそうです。
【不思議3】光が三つない?星欠けの三光門
中門にあたる三光門。三光とは太陽・月・星のことですが、この門に描かれているのは太陽と月のみで星が描かれていません。それはなぜなのでしょう?
三光門をわたる参道は南北に通じており、平安時代の大極殿は今の御所よりも西にあったそうです。御所の帝が北野天満宮に向かって祈りを捧げる際、この中門の真上に北極星が輝いていたため、三光門にはあえて星は描かれていないと言われています。
【不思議4】灯篭でも運試し!大黒天の灯篭
北野天満宮には300基ほどの石灯籠がありますが、一部の灯篭の台座部分には大黒天が描かれています。
この大黒様の口に小石を乗せられるか運試ししてみてください。うまく乗せられた小石を財布に入れるとお金に困らないと言われているそうです。「落ちない」ことから受験生にも人気です。
【不思議5】北野天満宮で一つだけ!唯一の立ち牛
北野天満宮の牛の像は全部で18体ほどあるそうです。その牛は全て伏せたスタイルの牛。
これは、道真公の遺体を乗せた車を引いた牛が、途中で座り込んで動かなくなってしまったため、その場に菅原道真公をお祀りしたという故事に由来しています。
このような理由から、天満宮では伏せた牛が主流なのですが、なぜか御本殿の中央の彫刻では唯一、立っている牛が描かれているのです。
ぜひ、北野天満宮で唯一の立ち牛を探してみてください。
【不思議6】本殿の裏側にも?裏の社
神社では御本殿の表からお参りするのが普通ですが、北野天満宮には御本殿の背面にもお参りするところがあります。
菅原道真公の父にあたる菅原是善と祖父にあたる菅原清公、祖先の神である天穂日命(あめのほひのみこと)の三神が祀られている社で「御后三柱」(ごこうのみはしら)と呼ばれており、知る人ぞ知る社です。
御本殿をお参りしたあとは裏の社も忘れずにお参りをしてくださいね。
【不思議7】北野天満宮の乾(北西)を護る天狗山
太閤豊臣秀吉が造った御土居。現在は、史跡御土居としてその一部が残されており、北野天満宮と合わせて見学できます。
その御土居の北側に小高い山があり、その山は「天狗山」と呼ばれています。江戸時代の絵図を見ると、その山に天狗が描かれており、そこには昔、天狗が住んでいたと伝えられています。都の守護を司った乾(北西)に立つ北野天満宮の境内のさらに乾にあることから特に神聖な場所とされてきました。
このように北野天満宮は長い歴史をもつ京都を代表する神社です。だからこそ、見どころもたくさん。
境内散策の折に、北野天満宮の七不思議を追いかけるのも楽しみ方のひとつです。ひとつ一つに注目して巡ってみてください。参拝がより印象深いものになりますよ。
出典:たびこふれ
https://tabicoffret.com/
LOCATION INFORMATION
住所
京都上京区馬喰町
アクセス
阪急京都線大宮駅から京都市営バス(55系統)に乗り、北野天満宮で下車します。
歩いてすぐです。
阪急京都線西院駅から京都市営バス(203系統)に乗り、北野天満宮で下車します。
歩いてすぐです。