日本には動物に縁のある神社やお寺があります。日本人の中には、日本で数詞として用いられる「干支」の動物にゆかりのある神社にお参りしたり、自分の生まれ年の干支の神社に毎年お参りする人もいます。
干支とは何か?
そして、干支の動物にまつわる京都・神戸・大阪の神社&お寺をご紹介します。
干支とは?
本来、干支は、古来中国で使われていた「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせた暦のことを指します。現代の日本における「干支」とは「十二支」のみを意味する言葉として用いられ、その年を表す12種類の動物のことを表しています。
子(ね=ねずみ)=2020年
丑(うし)=2021年
寅(とら)=2022年
卯(う=うさぎ)=2023年
辰(たつ=龍)=2024年
巳(み=へび)=2025年
午(うま)=2026年
未(ひつじ)=2027年
申(さる)=2028年
酉(とり)=2029年
戌(いぬ)=2030年
亥(い=いのしし)=2031年
12種類が一巡すると、また最初の子(ね)から順に当てはめていきます。干支は、年の始めに送る年賀状の絵のモチーフになったり、普段の会話の中で「私は寅年なんですよ」と言ったり、占いに用いられたりしています。このように、日本人にとって干支は数詞のひとつとして馴染み深いものになっています。
それでは続いて、関西にある干支の動物にまつわる神社やお寺を紹介します。
【子(ね)】京都哲学の道・大豊神社
「狛ねずみの社」として知られている、京都哲学の道にある神社。境内にある大国社を、2体の狛ねずみの像が守っています。右の阿(あ)形が学問を表す巻物、左の吽(うん)形が豊穣や子孫繁栄を象徴する水玉を抱えています。
御朱印や御朱印帳、お守りなども、狛ねずみにちなんだデザイン。
境内には狛巳、狛さる、狛きつね、狛とびと、ほかにも珍しい像があります。
【丑(うし)】京都・北野天満宮
学問の神様、菅原道真公を御祭神としてまつる全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社。境内には、菅原道真公のお使いである牛の像が祀られています。境内北西に位置する牛社の牛の像は、境内最古のものとされ、牛の像をなでると、一つだけ願いがかなうと言われています。
【寅(とら)】京都河原町・両足院
両足院では、寅と縁の深い武神・毘沙門天をまつっています。ここには珍しい狛虎が置かれており、その表情は本物のように勇ましい!参拝が終わったら、御朱印もいただきましょう。
【卯(う)】京都河原町・東天王 岡﨑神社
ご祭神が子宝に恵まれたといういわれと、かつて岡崎一帯にウサギがたくさんいたことに由来することから、ウサギがシンボルになっています。狛うさぎや子授けうさぎのほか、かわいらしい「うさぎみくじお守り」もあります。
【辰(たつ)】兵庫・湊川神社
兵庫県内有数の名社で、名将・楠木正成公をまつっています。御社殿の天井の絵164点は全国の著名画家たちが奉納したもので、兵庫生まれの福田眉仙による「大青龍」は圧巻。1月1日から3日まで、新春初祈祷を受ける方が殿内に入って観ることができます。1月4日以降はお賽銭箱のある本殿南口より覗いて見上げることができます。
【巳(み=へび)】大阪・姫嶋神社
蛇は日本では再生の象徴として信仰されており、姫嶋神社は蛇神様をまつる神社のひとつ。
蛇神様をまつる社の後ろには、1945年の空襲で焼けてしまった、当時樹齢900年とも言われていた御神木の一部が残っており、「再出発の木」といわれています。
この地で新しいスタートをきったアカルヒメノミコトを主祭神とし、戦火で一度全てを消失したこともあり、「やりなおし神社」として信仰されています。
【午(うま)】京都・賀茂別雷神社(上賀茂神社)
古来から馬との縁が深い神社。毎年1月7日に斎行される「白馬奏覧神事」で白馬(あおうま)を見ると一年の邪気がはらわれるとされています。今も決まった日に神馬が見られる珍しい神社です。
【未(ひつじ)】京都嵐山・虚空蔵法輪寺
虚空蔵法輪寺は、境内から嵐山の街並みが見渡せる観光の穴場スポット。境内には本尊である虚空蔵菩薩の使い、またはその化身とされる羊の像が置かれていて、触れると智恵を授けてくれるといわれています。
【申(さる)】大阪箕面・瀧安寺
宝くじ発祥の地で、日本で初めて弁財天を祀ったとされる寺。境内は、ニホンザルが生息する自然公園の中にあります。その自然公園には、日本の滝百選に選ばれた観光地・箕面の滝もあります。
目、耳、口をそれぞれ両手で隠した3匹の猿は、「見ざる、聞かざる、言わざる」=「悪しきことは、見ようとせず、聞こうとせず、言おうとしないのがよい」という、教えを表しています。
【酉(とり)】兵庫・長田神社
古くから鶏が神の使いとして尊ばれています。かつては鶏が境内を歩きまわり、氏子は鶏肉や卵を決して食べなかったという言い伝えも。あでやかな拝殿の装飾にも注目してみましょう。
【戌(いぬ)】兵庫・中山寺
中山寺は子授け・安産のご利益で有名です。犬はお産が軽いことから、戌の日に多くの女性が出産の無事を願いに訪れます。ご祈祷と合わせていただく授与品も人気。
【亥(い)】京都烏丸・護王神社
護王神社は、足の腱(けん)を切られた和気清麻呂公をイノシシが助けた逸話が残る神社。このことから、足腰の守護神として知られ、拝殿前には狛イノシシが置かれています。
手水舎のイノシシ像は、鼻を撫でると幸運が訪れるとして有名。お守りや絵馬などもイノシシがモチーフです。
干支にちなんだ神社を訪れてご利益を授かるというのも、日本の文化を知る方法のひとつ。日本に旅行する際は、ぜひ訪れてみてくださいね。