奈良公園から少し足を延ばした先にある、ひときわ存在感を放つ赤レンガの建物。2026年4月に開館した「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」は、国の重要文化財である旧奈良監獄を保存、活用した文化施設です。
今回は、星野リゾートのスタッフの方の案内で館内を見学。実際に歩いて感じた見どころや展示内容、訪れる前に知っておきたいポイントを現地レポートでお届けします。
1.奈良監獄ミュージアムとは?
明治期に竣工された5つの監獄(奈良監獄、長崎監獄、金沢監獄、千葉監獄、鹿児島監獄)は「明治五大監獄」と呼ばれており、煉瓦や石造りの美しい建築が特徴です。多くの監獄は老朽化によって役割を終えており、現在も明治時代の姿を見ることができるのは旧奈良監獄のみ。
現在も建物は法務省の所有です。観光の力で収益を得て、建物の保存や維持をしていくため、星野リゾートはその運営を担っています。奈良監獄ミュージアムは、旧奈良監獄を保存棟と展示エリアの2つの構成で公開しています。
〇営業時間:9:00~17:00(16:00最終入館)
〇定休日:なし(メンテナンス休館の可能性があります。公式サイトをご確認ください。)
2.奈良監獄ミュージアムのチケット購入方法
奈良監獄ミュージアムのチケットは公式サイト からの事前予約がおすすめです。
日付と時間指定で、購入後の日程、人数の変更はできませんのでご注意ください。どうしても変更したい場合は、一度キャンセルし、新しく予約を取り直す必要があります。
時間は以下の4つに区切られていて、購入時に指定する必要があります。
・9:00~10:30
・10:30~12:00
・12:00~14:00
・13:00~16:00
奈良監獄ミュージアムの入館料は以下の通りです。
| 料金 | |
| 大人(海外在住者) | 3,500円 |
| 大人(日本在住者) | 2,500円 |
| 大人(奈良県在住者) | 2,000円 |
| 大学生・高校生 | 1,500円 |
| 小・中学生 | 700円 |
| 未就学児 | 無料 |
日本在住者は、日本に住んでいる方向けの料金です。入館時に住所を確認できる証明書(マイナンバーカード、運転免許証など)をご提示いただく場合があるということですので、準備していきましょう。
3.奈良監獄ミュージアムのアクセス
奈良監獄ミュージアムへは、「奈良監獄ミュージアム前」 バス停から徒歩1分でアクセスができる直行バスが便利です。開館時間にあわせて、1時間に1本往復しています。
所要時間:
・JR奈良駅から25分
・近鉄奈良駅から18分
バス料金:
・大人250円
・小児130円
・幼児(1~6歳未満)保護者1人につき1人無料
・乳児(0歳)無料
支払い方法:
・乗車時に先払い
・現金またはICOCAなどのICカード
乗降は、JR奈良駅、近鉄奈良駅、県庁前、般若寺の4か所で可能です。
ちらの記事では、JR奈良駅と近鉄奈良駅での乗車場所を詳しくお伝えします。
〇JR奈良駅(西口11番バス停)
JR奈良駅の改札は1か所です。出口は2つありますが、西口から出ましょう。
西口までは案内看板を辿ることで到着可能です。 バスターミナルの11番乗り場からバスに乗車します。
〇近鉄奈良駅(2番バス停)
近鉄奈良駅の改札は2か所あります。バス停へは西改札口からでましょう。
改札を出たら、右手の5番出口へ進みます。
階段を上がって裏手にバス停があります。
2番乗り場からバスに乗車します。
バスは路線バスタイプでスーツケースなどの大きな荷物の持ち込みは難しいです。大きな荷物は駅やホテルで預けていくことをおすすめします。
4.奈良監獄ミュージアムの所要時間
奈良監獄ミュージアムの見学は、通常1時間30分~2時間程度必要と公式サイトには書かれています。
じっくり見学する場合は2時間30分程度、さらにカフェやミュージアムショップを利用する場合は、30分〜1時間の余裕があると安心です。
5. 奈良監獄ミュージアム 保存棟と展示エリア紹介
大きな門から煉瓦の塀に囲まれた奈良監獄ミュージアムへと入ります。建物をぐるりと取り囲む煉瓦も含めて、煉瓦建築が特徴ですが、この煉瓦、レンガ職人と共に、囚人の手で作られたそう。建築に関わった囚人の数は15万人以上もいるということです。
奈良監獄ミュージアムは、保存棟と展示エリアに分かれており、いずれも経路に沿って鑑賞するようになっています。
最初に訪れるのは保存棟です。入口からぐるりと建物の周りを歩いていきます。影がありませんので、真夏は日傘があるほうがいいかもしれません。
放射状に広がるハヴィランド・システムがよくわかるのは入口から保存棟までです。ここから写真を撮るといいですよという目印もあります。
ハヴィランド・システムを上空から見た写真です。放射状に広がる建物がよくわかります。
奈良監獄ミュージアムの保存棟
保存棟は、放射状に広がる5つの舎房の中心に位置する第三寮です。
すべて独居房で、廊下の壁やドアなどすべて当時のまま保存されています。一部の独居房は中に入ることができ、受刑者が過ごした空間を体感することができます。
また、看守の気持ちになって独居房を覗くこともできます。
廊下も独居房の中も自然光が入る明るい空間で、「監獄=暗い」というイメージが覆されるほど明るく、思わず驚きました。これは人権に配慮して、採光を意識した設計だからだそうです。
奈良監獄ミュージアムの3つの展示エリア
奈良監獄ミュージアムの展示エリアは3つに分かれており、それぞれ異なるテーマの展示を展開しています。
A 歴史と建築
日本の行刑近代化の歩みと、旧奈良監獄の歴史が紹介されています。放射状のハヴィランド・システムについてもここで詳しく学ぶことができます。
注目したいのは、A棟に入ってすぐの壁です。時代とともに白い漆喰が塗られたそうですが、漆喰をはがした際に現れた煉瓦をみてもらえるようになっています。
B 規律とくらし
食事、作業、更生など現代の刑務所での営みが紹介されています。
受刑者の方が実際に行っている作業の映像や完成品もみることができます。受刑者の方の作業は、地方の継ぎ手が少ない伝統的な技術の継承にもなっているそうです。
また、受刑者の方が余暇の時間に眺めただろう窓からの景色を同じように体験することもできます。
移動中に通る池や紅葉の木も当時のまま保存されているということでした。
C 監獄とアート
かつて医務所だった空間をギャラリーとして活用し、5組のアーティストと受刑者の作品を展示しています。受刑経験のある花輪和一さんの漫画原画もみることができます。
奈良監獄ミュージアムならではの取り組みとしては、プリズン ポストカード プロジェクトがあります。展示を見て感じたこと、考えたことをハガキに書いて伝えるプロジェクトで、一部は刑務所にも届けられる予定だそうです。
また、最後は刑務所の中にいる方々が自主的に制作した絵画や書、文芸作品など刑務所アートも鑑賞することができます。
6. 奈良監獄ミュージアムのショップ&カフェ
カフェでは、旧奈良監獄ならではのストーリ―を活かしたフードやドリンクを楽しむことができます。
ここで必ず食べたいのは「レンガカレーパン」。カレーは奈良少年刑務所時代の人気メニューだそう。四角い形は、旧奈良監獄の赤いレンガを表しています。スパイシーで美味しかったです。辛い物が苦手な方には、甘口カレーパンもあります。
カフェのカップにデザインされている猫の柄、実は奈良県の形をしていて、白い点は今いる場所を表しているそうです。細かいところまでこだわっておられるので、お見逃しなく!
ほかに、チーズケーキや、奈良県産の果物を使ったサイダーなどが販売されています。しっかり食べるランチメニューはありませんので、軽食やカフェでの利用がおすすめです。
ショップではアートディレクター佐藤卓さん率いるTSDOデザインのユニークなグッズが揃っています。オリジナルのピンバッジや「奈良監獄」と書かれたTシャツが人気だそうです。
展示エリアで見た刑務作業品の購入も可能です。
オンラインショップもなく、入館した人のみが購入できるので、買い忘れのないようにしたいですね。
7.ラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」は、国の重要文化財「旧奈良監獄」を活用したラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」を2026年6月25日に開業します。
星のや9施設目となる「星のや奈良監獄」のコンセプトは「明けの重要文化財」。かつての独居房が優雅なリラックス空間に。全48室がスイートルームです。
旧監獄という滅多に入る機会のない建物で、歴史的建築と現代の展示が融合した、他にはない体験ができる施設であり、多くの方が訪れることこそが、この貴重な建物の保存維持へと繋がります。
奈良観光の新しいスポットとして、ぜひ一度足を運んでみてください。



































