京都では一年を通じて、様々な歴史ある行事が行われています。
有名な祇園祭や、貴族の遊びを今に伝えるもの、中にはちょっとびっくりするような行事も!?
関西への旅のプランに加えれば、より深く濃い旅になる、京都の伝統行事をご紹介します。
【1月】蹴鞠はじめ
下鴨神社
開催日:毎年1月4日
世界遺産に登録されている下鴨神社では、伝統行事「蹴鞠(けまり)」が奉納されます。
蹴鞠は、4~8人で一組となり鞠を蹴り続ける遊びで、約1400年前に中国から伝わりました。
水干(すいかん)に袴、烏帽子姿という伝統的な貴族の衣装で、鞠を地面に落とさないように渡していく華麗な足さばきは見事!
有料観覧席の販売もあります。
【2月】節分祭
京都市内の寺社
開催日:毎年2月3日前後数日
節分祭は、福豆をまいて邪鬼を祓い、厄除・開運招福・病気回復を祈願します。寺社では、新年の福を呼び込むための「追儺式」が行われるのですが、その特徴はバラエティーに富んでいます。
例えば吉田神社の「追儺式」は、暴れまわる鬼が登場し、黄金四つ目の仮面をかぶった官人が追い祓うというストーリー。廬山寺は「鬼おどり」が有名で、赤鬼、青鬼、黒鬼が登場します。壬生寺で行われるセリフのない無言劇「壬生狂言」も見もの!
【2月】針供養
法輪寺
開催日:毎年2月8日、12月8日
日本人でも知らない人が多い、針に感謝する「針供養」という行事。
弾力のあるこんにゃくを祭壇に供え、そのこんにゃくに普段、厚い布や硬いものを刺してきた針を刺して、針への感謝を捧げると共に技芸上達、家庭円満を祈願します。
法輪寺では、一年を締めくくる12月と、年末は晴れ着の仕立てに忙しい裁縫関係者の仕事が落ち着く2月の年2回、行われています。
【3月】春の人形展
旧百々御所 宝鏡寺
開催期間:毎年3月1日からの約1カ月間
“人形の寺”として知られる宝鏡寺。天皇が大事にしていた人形など、格式ある人形を数多く所蔵しています。
春に行われる人形展では、ひな人形を中心に京人形などを展示。
※この写真のお雛様が必ず展示されるとは限りません。ご了承ください。
【3月】永々棟のひなまつり
平野の家 わざ 永々棟
開催期間:毎年2月下旬~3月下旬の金・土・日曜・祝日
ひなまつりは、女の子の健やかな成長を願う行事で、女の子のいる家庭ではひな人形を飾るのが風習です。
「平野の家 わざ 永々棟」は大正15年に日本画家の邸宅兼アトリエとして建てられた伝統的木造家屋を改修した建物。ひなまつりの期間は、数寄屋建築のお座敷に、所蔵する江戸時代から現代までの様々な雛人形が展示されます。観覧有料。
【4月】都をどり
祇園甲部歌舞練場
開催期間:毎年4月1~30日
都をどりは、明治5年にはじまった京都の伝統の舞踊公演。普段はなかなか見ることができない、芸妓・舞妓の華麗な舞を大舞台で気軽に鑑賞できる貴重な機会です。
舞台では、三味線や笛、太鼓など生の演奏の中、近隣の名所旧跡などを背景に、京友禅と西陣織の匠が手がける衣裳を身にまとった約60名の芸妓・舞妓が舞い踊ります。フィナーレで全員が揃い踏みする姿は圧巻!優雅で華やかな世界を堪能してみてください。
観覧有料。
【5月】流鏑馬(やぶさめ)神事
下鴨神社
開催日:毎年5月3日
流鏑馬神事は、5月4日に行われる約1,500年の歴史をもつ「葵祭」の前儀。伝統的な公家装束や狩装束姿の射手が馬に乗りながら、約500メートルの馬場に設置された3つの杉板の的に向かって矢を放ちます。有料観覧席(要事前予約)からは、迫力ある姿を目の前で見ることができます。
【6月】夏越祓(なごしのはらい)
各神社
開催日:毎年6月30日
1年の折り返しにあたる6月30日に開催される「夏越祓」は、各地の神社で行う伝統行事です。6月に入ると、神社の参道に大きな「茅の輪」が設置されます。その輪をくぐり抜ける「茅の輪くぐり」で上半期のけがれをはらい、下半期の無病息災を祈ります。くぐり抜けには作法があり、その作法は神社によって異なっています。
京都市内では、上賀茂神社をはじめ、平安神宮、北野天満宮、松尾大社、八坂神社などで行われます。
【7月】祇園祭
八坂神社ほか京都市内各所
【7月】御手洗祭
下鴨神社
開催期間:毎年7月下旬10日間
「足つけ神事」とも呼ばれる御手洗祭は、下鴨神社の境内の御手洗池に膝まで浸かり、けがれを祓って無病息災を祈願する行事です。京都の夏の風物詩のひとつで多くの人が訪れます。ろうそくを手に持ち、御手洗池に祀られている御手洗社にお参りします。
参道では、下鴨神社が発祥の地である和菓子「みたらし団子」をはじめ、様々な屋台が出店。日本の夏祭りらしい風景です。
【8月】京都五山送り火
京都市内各所
開催日:毎年8月16日
京都五山送り火は、伝統的な京都の夏行事。お盆に迎えた先祖の精霊を冥府に帰すための行事です。京都市内5つの山の中腹にある火床に火が点けられ、それぞれ異なる文字や形が浮かび上がります。
点火時間や鑑賞場所は下記のホームページを参照。
【9月】観月祭
各寺社
開催日:毎年9月中旬~10月上旬
1年を通して最も月が美しいとされる中秋の名月(現代の暦では9月中旬~10月上旬)にあわせて行われる神事。各寺社で、月を愛でるお月見の会や抹茶の提供、管弦楽の上演などが行われます。特に有名なのが日本三大名月鑑賞地のひとつである大覚寺の「観月の夕べ」。日本の文化を体感できるおすすめのスポットです!
▼詳しくは下記の記事をチェック
【10月】時代祭
平安神宮
開催日:毎年10月22日
京都三大祭のひとつである時代祭は、”動く歴史風俗絵巻”と呼ばれる壮大なお祭りで、時代祭を一目見れば、京都の歴史と文化が理解できます。
約2,000名、約2キロメートルにわたる行列は、明治維新時代を先頭に8つの時代にさかのぼり、それぞれの時代を象徴する衣装や祭具を身に着けて平安神宮周辺を練り歩きます。
衣装や祭具は一つ一つが、厳密な時代考証をもとに制作されたものというから驚き!世界に誇る、京都の伝統工芸技術の集大成ともいえる行事です。
【11月】紅葉特別公開
瑠璃光院
開催期間:毎年10月上旬~12月上旬
11月は京都が美しい紅葉で彩られる、一年で最も多くの人が訪れるシーズン。京都各地の寺社では、通常非公開の文化財が特別に公開されたり、庭園や建物の特別拝観が行われたり、貴重な体験ができる期間です。
中でも特に瑠璃光院は、紅葉が机に映り込むリフレクションでとても有名で、ぜひ一度は見ておきたい!拝観は事前予約が必要です。
▼詳しくは下記の記事をチェック
LOCATION INFORMATION
住所
京都市左京区上高野東山55[MAP]
アクセス
阪急京都線烏丸駅から京都市営地下鉄に乗り換え国際会館駅下車
京都バス(大原・小出石行き)「八瀬駅前」停下車 徒歩5分
【12月】大根炊き
了徳寺
開催日:毎年12月9日、10日
大根炊きは京都の冬の風物詩で、寒い時期にアツアツの大根を食べて無病息災を祈願する行事です。「大根焚寺」の名でも知られる了徳寺では、大きな鍋で京都・亀岡産の大根1,000本が焚き上げられ、参拝者に振る舞われます。この大根炊きを食べると中風にかからないとされ、約3,000人が訪れます。
京都で行われる一年の行事をこうして並べてみるだけで、自然や日常の道具、食べ物など、身の回りのものを尊び感謝する。そんな日本人の姿が、垣間見ることができたのではないでしょうか。
みなさんも行事に参加して、日本をより深く知る旅を楽しんでくださいね!