およそ1300年前、日本の政治の中心地として栄えた奈良。中でも奈良公園周辺の奈良市中央エリアは、世界遺産に登録されている神社や寺院など見どころが満載で、大阪や京都からアクセスが良いのが魅力です。
この記事では、そんな奈良市中心エリアの観光を、日帰りで満喫したい方におすすめのモデルコースをご紹介します。
1.大阪・京都主要エリアから奈良への移動時間
奈良市中心エリアは、大阪や京都からアクセスが良いのが魅力です。とはいえ、思ったよりも移動に時間がかかって計画が変更になってしまったり、行きたかったところに行けなくなったりしないよう、行程を組むときの参考にしてください。
〈京都から〉
四条河原町⇔奈良:約1時間
四条烏丸駅⇔奈良:約50~1時間
烏丸御池 ⇔奈良:約1時間
京都駅  ⇔奈良:約40~50分
祇園・清水寺周辺⇔奈良:約50分~1時間
嵐山・嵯峨野周辺⇔奈良:約1時間15分
〈大阪から〉
大阪梅田⇔奈良:約1時間
弁天町 ⇔奈良:約1時間
本町  ⇔奈良:約50分
大阪難波⇔奈良:約40分
天王寺 ⇔奈良:約40~50分
※所要時間は利用する交通機関や電車の種類、待ち時間により変動します。
※観光シーズンにバスを使用する場合は、所要時間がこれ以上かかることを想定しておくことをおすすめします。
2.奈良駅への交通手段
大阪と京都から奈良駅へは、JRと近鉄電車でアクセスが可能です。JR奈良駅と近鉄奈良駅は 少し離れていて、歩くと約15分ほどの距離があります。どちらの駅からでも徒歩で観光スポットを巡ることはできますが、奈良公園などの中心地は近鉄奈良駅が最寄りになります。時短したい方は、JR奈良駅から近鉄奈良駅までバスで移動するのもおすすめです。
1.〈梅田駅・大阪駅からのアクセス例〉
近鉄電車でアクセスする場合
・(大阪メトロ御堂筋線)梅田駅⇒難波駅⇒(近鉄奈良線)大阪難波駅⇒奈良駅[所要時間:約55分]
・(JR環状線)大阪駅⇒鶴橋駅⇒(近鉄奈良線)鶴橋駅⇒奈良駅[所要時間:約1時間]
JRでアクセスする場合
・(JR大和路線)大阪駅⇒奈良駅[所要時間:約50分]
2.〈京都駅からのアクセス例〉
近鉄電車でアクセスする場合
・(近鉄京都線)京都駅⇒奈良駅[所要時間:約40-50分]
JRでアクセスする場合
・(JR奈良線)京駅駅⇒奈良駅[所要時間:約50分]
3.奈良日帰り旅行 モデルコース(王道)
近鉄奈良駅を出発し、奈良公園内に点在する世界遺産に登録されている寺院や神社など、代表的な観光スポットを巡るコースです。移動時間や滞在時間は目安と考えてください。
奈良公園近辺日帰り旅行 王道コースのスケジュール
| 9:00 | 近鉄奈良駅 | 
| 徒歩約15分 | |
| 9:15~10:15 | 東大寺(見学の所要時間 約60分) | 
| 大仏殿から徒歩約20分 | |
| 10:35~11:35 | 春日大社(見学の所要時間 約45~60分) | 
| 徒歩約20分 | |
| 11:55~14:00 | ならまちでランチと散策 | 
| 14:00~15:00 | 興福寺・猿沢池 | 
世界遺産・東大寺:大きな大仏さんがお出迎え
まずは、世界的にも有名な「奈良の大仏」が安置されている東大寺へ。東大寺は今から1300年ほど前、日本の「奈良時代」に建てられた歴史ある寺院です。東大寺には「大仏殿」のほか、「南大門」・「法華堂(三月堂)」といった国宝、寺宝を展示する「東大寺ミュージアム」などの見どころがあります。
東大寺の一番の見どころは大仏が安置されている「大仏殿」。大仏殿は4~10月は午前7時30分から、11~3月は午前8時から拝観ができます。朝の早い時間は人が少ないので、人混みが苦手な方は早朝に参拝してはいかがでしょう。
▼東大寺と大仏のもっと詳しい情報はこちら▼
奈良・東大寺に大仏を見に行こう!~おすすめのランチやカフェもご紹介~
LOCATION INFORMATION
住所
奈良市雑司町406-1[MAP]
営業時間
〈大仏殿〉
[4~10月]7:30~17:30
 [11月~3月]8:00~17:00
定休日
なし(東大寺ミュージアムは臨時休業あり)
入場料
大人・高校生・中学生:800円
小学生:400円
世界遺産・春日大社:朱塗りの社殿が美しい
次に東大寺から少し歩いて春日大社へ。こちらは今から1300年ほど前に創建された神社です。鮮やかな朱塗りの社殿と無数の燈籠が並ぶ参道が魅力です。
東大寺や春日大社の周辺にはたくさんの鹿がいます。奈良公園にたくさんの鹿がいるのは、春日大社が創建された当時から神の使いとして手厚く保護されてきたためと言われています。
LOCATION INFORMATION
住所
奈良市春日野町160[MAP]
営業時間
[3~10月]6:30~17:30
[11~2月]7:00~17:00
〈御本殿特別参拝〉9:00~16:00
定休日
なし
入場料
〈御本殿特別参拝〉700円
〈国宝殿〉大人500円
大学生・高校生300円
中学生・小学生200円
ならまちでランチと散策
ランチは「ならまち」エリアのお店がおすすめです。ならまちは1700年代後半から1800年代前半の「江戸時代」に発展した、風情ある町並みが広がるエリアです。ランチの後は、ならまちエリアの散策を楽しみましょう。
おすすめランチ
すき焼きを様々なカタチで提供「㐂つね(きつね)」
日本の伝統料理「すき焼き」を進化させ、コース仕立てやお重などで提供しているお店です。ランチは牛肉がたっぷりのすき焼きに酢飯を合わせ、出汁がしみ込んだお揚げをのせた「きつねすき焼き重」がおすすめです。
LOCATION INFORMATION
住所
奈良市元林院町22 鹿猿狐ビルヂング 1F[MAP]
アクセス
近鉄奈良駅から徒歩8分
JR奈良駅から徒歩15分
営業時間
〈ランチ〉 11:00~15:00
〈ディナー〉17:00~21:00
定休日
水曜日
ランチの後はコーヒーでひと息「猿田彦珈琲」
「㐂つね(きつね)」と同じ鹿猿狐ビルヂングにあるスペシャルティ・コーヒー専門店。2011年に東京・渋谷で創業したチェーン店で、こちらのお店は関西第1号店です。
LOCATION INFORMATION
住所
奈良県奈良市元林院町22 鹿猿狐ビルヂング 1F[MAP]
アクセス
近鉄奈良駅から徒歩8分、JR奈良駅から徒歩15分
営業時間
9:00~19:00(L.O.18:30)
定休日
なし
ならまちのおすすめスポット
高速餅つきで知られるお店「中谷堂」
やわらかで伸びのある「よもぎ餅」が評判の和菓子店。よもぎ餅は「よもぎ」というハーブを練り込んだ日本の伝統的なお餅のこと。「中谷堂」ではあんこを包んで、きなこをまぶしています。
「中谷堂」は店先で行う高速餅つきが有名で、いつも多くの観光客が見学しています。高速で餅つきをする理由は、素材のお米が熱いうちにしっかりとついて仕上げることで、伸びが良くコシのあるおいしいお餅を作るため。高速餅つきを見学した後は、よもぎ餅を購入して味わってみてください。
今の感覚を融合した日本の工芸品「中川政七商店 奈良本店」
約300年前に創業した、生活雑貨ブランド「中川政七商店」の本店です。先ほどご紹介した「㐂つね(きつね)」・「猿田彦珈琲」と同じ鹿猿狐ビルヂングにあります。奈良県を中心に日本の工芸品や地方の特産品を、現代のライフスタイルに合うようアレンジして提供。おみやげを買うのにもおすすめのお店です。
世界遺産・興福寺と猿沢池:静寂と荘厳な雰囲気が魅力
奈良公園のシンボル、五重の塔で知られるお寺。境内全体は参拝無料で多くの建造物を見ることができます。
※五重塔は2031年(予定)まで修理工事のため周囲が覆われ、見ることができません。
LOCATION INFORMATION
住所
奈良市大路町48番地[MAP]
アクセス
近鉄奈良駅から徒歩5分
JR奈良駅から徒歩15分
営業時間
中金堂・東金堂・国宝館:9:00~17:00(受付終了16:45)
定休日
なし
入場料
〈中金堂〉大人500円、中学・高校生300円、小学生100円
〈東金堂〉大人300円、中学・高校生200円、小学生100円
〈国宝館〉大人900円、中学・高校生800円、小学生500円
〈中金堂・東金堂・国宝館共通券〉大人1,600円、中学・高校生1,100円
                                                小学生600円
猿沢池
興福寺の南側にある池で、奈良公園の名勝地となっています。約350mの池の周りは歩くことができ、設置されているベンチに座ってゆっくりと眺めるのもおすすめ。また毎晩、周囲がライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。
4.奈良日帰り旅行 モデルコース(穴場)
奈良駅から少し離れたエリアにも、見ごたえがあるおすすめの観光スポットがあります。バスでも移動できますが、ここでは自転車をレンタルして道路渋滞を気にすることなく移動するモデルをご紹介します。
奈良日帰り旅行 穴場コースのスケジュール
| 9:00 | 近鉄奈良駅 | 
| 9:00~9:30 | レンタサイクル近鉄奈良 | 
| 自転車約15分 | |
| 9:45~10:45 | 平城宮跡歴史公園(所要時間 一周+観光で約60分) | 
| 自転車で約5分 | |
| 10:50~11:50 | 奈良金魚ミュージアム(所要時間 約60分) | 
| 自転車で約20分 | |
| 12:10~13:10 | ならまちでランチと散策 | 
| 自転車約10分 | |
| 13:20~14:20 | 東大寺(所要時間 約60分) | 
| 自転車約10分 | |
| 14:30~15:30 | 春日大社(所要時間 約45分~約60分) | 
レンタサイクル近鉄奈良(ナコーレンタサイクル)
まずは自転車をレンタルしましょう。自転車は電動アシスト車と普通車の2種類。奈良公園内は登り傾斜になっているところがあるため、電動アシスト車の方が進むのが楽でおすすめです。予約は24時間オンラインからでき、4日前までにキャンセルをしたら料金がかかりません。
平城宮跡歴史公園:古都の歴史を伝える広大な史跡
西暦710年に、日本の政治・文化の中心地として都が置かれた平城宮の宮殿跡を整備した公園。公園内はかなり広く、ここでこそ自転車が活躍します。
平城宮跡歴史公園内で訪れたいスポット
第一次大極殿
公園の北側に位置する、平城宮最大の宮殿。天皇の即位式や外国使節との面会など国の一番重要な儀式が行われていました。
朱雀門
都の中心を走っていた朱雀大路の4km北に位置した平城京の正門です。
平城宮跡公園は季節の花も見どころ
春は第二次大極殿のあたりで約1,000本の桜が咲き誇り、冬は第一次大極殿などの周辺をサザンカが彩ります。また2月頃には梅が、5月にはヒラドツツジなどが咲くエリアがあります。
LOCATION INFORMATION
住所
奈良県奈良市二条大路南三丁目5番1号[MAP]
アクセス
近鉄西大寺駅南口・近鉄奈良駅・JR奈良駅から奈良交通バスに乗り
「朱雀門ひろば前」停留所下車すぐ
営業時間
〈第一次大極殿・朱雀門〉9:00~16:30(入場は16:00まで)
〈平城宮いざない館〉9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日
〈第一次大極殿・朱雀門〉月曜日・12月29日~1月3日
奈良金魚ミュージアム:アートを感じる幻想的な空間
平城宮跡公園から約5分の場所にある、日本三大金魚産地のひとつ奈良県ならではの日本最大級の金魚ミュージアム。約40種類の金魚を音楽、映像、香りを使って芸術的に展示しています。金魚すくいやプロジェクションマッピングを使ったアトラクションなどの体験コーナーも。
LOCATION INFORMATION
住所
奈良市二条大路南1-3-1 ミ・ナーラ4F[MAP]
アクセス
近鉄奈良駅から徒歩8分
JR奈良駅から徒歩15分
営業時間
10:00~18:00(最終受付17:30)
定休日
なし
入場料
大人(中学生以上):1,200円
小学生・65歳以上:700円
幼児(4歳~小学生未満):200円
3歳以下:無料
奈良金魚ミュージアムでアートな金魚の世界を楽しんだ後は、自転車でならまちへ移動しランチと散策を堪能しましょう。最後は、世界遺産に登録されている東大寺と春日大社へ。
※ならまちのランチ・散策、東大寺・春日大社巡りについては3「3.奈良日帰り旅行 モデルコース(王道)」をご参照ください。
5.奈良日帰り旅行で楽しみたい春と秋だけの特別な景色
春:佐保川沿いの桜
近鉄奈良駅の北側を流れる佐保川沿いは、奈良県内でも有数の桜の名所です。3月下旬から4月頭頃、約5kmの川沿いにソメイヨシノを中心とする約1,100本の桜が咲き誇ります。
秋:奈良公園の紅葉
奈良公園は毎年10月下旬から12月上旬にかけて、紅葉が見頃を迎えます。イチョウは10月下旬頃、もみじは11月中旬頃から色づき始め、フォトジェニックな景色を楽しめます。
6.奈良の鹿に会う前に知っておきたいこと
奈良公園の鹿は、国の天然記念物に指定されている「野生動物」です。人に慣れているように見えても突然攻撃的になるなど、いつどんな行動を起こすかわかりません。ここでは、奈良の鹿とふれあう際に注意したいことをご紹介します。
〈鹿せんべい以外のものをあげない〉
奈良公園では、鹿に鹿せんべい以外のものを与えることを禁止しています。市販のお菓子も禁止です。鹿は普段、公園内の草や木の実を食べています。鹿にとって適切ではない餌を与えると、病気や中毒になって命を落とすこともあります。
〈鹿は野生の動物です〉
奈良の鹿は誰かに飼われているわけではなく野生の動物です。気軽にふれると角で突く・突進してくる・蹴るといった行動を起こします。SNSで鹿とふれ合う映像が増えていますが、絶対真似をしないようにしてくださいね。
〈手荷物に注意〉
鹿は手に持っているレジ袋・ビニール袋、地図・パンフレットを食べてしまうことがあるため、見えないようにカバンの中にしまいましょう。カバンの持ち手や水筒の紐に角をひっかけることもあるので要注意です。
奈良市中心部エリアは大阪や京都からアクセスが良く、一日で世界遺産に登録されている主要な観光スポットや情緒あふれるエリアを巡れます。関西を旅する際は、奈良日帰り旅行も予定に入れてくださいね。「HANKYU TRAVEL」の「Travel to Japan」では気軽に行ける日帰りバスツアーがたくさんあります。関西を旅する際にはぜひチェックを。
▼「Travel to Japan」 のWEBサイトはこちら▼



























    
    






